風磨の彼女は手に負えない。2

呼び方　Fuma.side ページ21

みなさん、気付いてました？

Aは俺を呼ぶ時“風磨”じゃなくて“ふーま”って呼ぶのよ。


これは付き合いたての頃の話なんだけど。




「ねぇ。いつまで風磨くんなの？」



ソファーで並びながら晩酌をしているAに聞いてみた。


『ん？なんで？』


缶チューハイを飲みながら上目遣いで聞いてくる。

いやもう可愛すぎて一生風磨くんでもいいかも。



じゃないだろ、俺。
今日呼び捨てにしてもらうって決心したんだから。



「もうさ、付き合ってんだから。呼び捨てしてよ。」


Aの肩に手を回しながら言う。


『ん〜。風磨くんは風磨くんだもん。』


ちょっと酔っ払ってるのか
珍しく俺の肩に頭を乗せてくるA。


いつもならワンチャン手振り払われてんのに←



「Aって他の男にもくん付けじゃん？
嫌なのよ、特別じゃないと。」


デレ期のAを前にここぞとばかりに
欲望丸出しの俺。




『恥ずかしいよ…。ふーまぁー。』


俺のほっぺをぷにぷに人差し指で突きながら言ってる。

え、俺爆発しそうよ？今。


「酔っ払ってるからって
そんな可愛いことすんな。」


Aの手を掴んで正面から顔を見ると
お酒のせいか、照れてるせいで顔が赤い。



『風磨くん年上なのに呼び捨てはちょっと…。』


「でもカップルは普通呼び捨てなんだってば。」


もう俺も意地になってきて
わけのわからない世の中の普通を盾に戦う。




『そうなの？じゃあ世の中の普通に従って
今日からふーまにしますっ！』


敬礼しながら俺に言ってるA。
明日覚えてんのかな？(笑)

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