すのうーまん⑮ (ページ9)

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［阿部 side］

〜📞

冬賀「私です！出ます!」

1時間ほど経った時、冬賀さんのスマホが鳴った。
どうやらAかららしく、俺はすぐにこの場を出られるように荷物をまとめる。

「ごめん…完全に油断してた…ウーロン茶頼んだんだけど…かなり濃いウーロンハイが来て…とりあえずお手洗いに籠もってる…」

冬賀さんがスピーカーにしてくれたからAの声が聞こえる。
現状を聞いて思い出すのは滝沢歌舞伎の打ち上げ。

阿部「A、絶対にお手洗いの鍵開けないで。俺達がドアの前まで行くから。絶対だよ。」

「うん。…ごめん。」

阿部「あと眠くなっても頑張って耐えて！」

「…うん。」

急ごうと冬賀さんに言い、事務所を飛び出す。
走りながら冬賀さんにはそのまま通話を続けてもらって、俺はスマホを出して佐久間に電話をする。

阿部「佐久間ごめん！車まわしてほしい！」

佐久間「おっけ。すぐに店出るわ。」

察したのか、何も聞かずに了承してくれた。

冬賀「失礼します！」

本日貸し切りの札がかかる扉を冬賀さんが開け、俺もその後に続く。

冬賀「お手洗いはどちらでしょう？」

スタッフ「あっあちらです。」

言われた方に行くとAが入っているであろうお手洗いがあった。

冬賀「Aさん？いますか？冬賀です！」

冬賀さんがノックをしてドアの向こうに呼びかける。

カチャッとロックが解除されてドアが開く。ふらふらしながら出てきたAの顔は真っ赤になっていた。

「冬賀さん…阿部ちゃん…」

阿部「吐き気はない？頭痛は？」

「頭…痛い…眠い…」

阿部「よく耐えたね。行こう。」

冬賀「Aさん任せていいですか？私達が来るまで椎名さんがドア前にいて声をかけていたみたいなのですが、姿が見当たらなくて…チーフ呼んだので、話しを聞いてから帰ります。」

阿部「うん。任せて。あとはお願いします。」

Aをお姫様抱っこして店を出る。
店の外には車を佐久間に任せて来てくれたふっかがAの荷物を持って立っていてくれていた。

深澤「体調悪くなったみたいで〜って言って荷物貰ってきたよ。」

阿部「ありがとう。」

佐久間「お待たせ。乗って。」

阿部「ありがとう。」

丁度いいタイミングで来てくれた佐久間。
助手席にふっか、後部座席に俺達が乗り込む。リクライニングを倒してAを寝かせるとすぐに眠った。