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サングラスをかけた康二くんの運転でどこかへ向かっている。
どこに着くかはお楽しみらしい。
それにしても、この人は夏がよく似合う。
私の膝の上にあるのは、持ってて！って言われた彼の相棒。本格的なそれを預かっているのが落ち着かなくて、さっきから何度も確かめるように触れてしまう。
向「んはっ そんな緊張せんでも」
「だって…責任重大じゃん…」
向「俺が頼んだんやから、なんかあっても俺の責任やで？
Aちゃんのこと怒ったりせぇへんよ」
そうは言われても…
これが康二くんの大切な物だって知ってるから、壊したり傷付けたくないんだもん。
そう伝えたら、康二くんはくすぐったそうに笑う。
向「ほんまええ子やなあ」
「…みんなしてすぐそうやって子ども扱いする」
向「そうやって拗ねんのがかわええからちゃう？」
「拗ねてないもん！」
向「んはは、ムキになったりとかな」
「っ…！」
何を喋っても全部逆効果で口を噤んだ。
さっくんも、私のこういうところ…子どもっぽいって思ってるのかな。
外は雲ひとつない良い天気なのに、私の心にはすぐモヤがかかってやんなっちゃう。
ふう…って息を吐いて窓の外を見た。
「え！？」
向「おー綺麗な二度見」
そこには一面の黄色。
向「到着ー！」
シートベルトを外してサングラスを頭に掛けた康二くんが、私達の間に置いてた麦わら帽子をポフって私の頭に被せた。
車を降りるとそこにはひまわり畑が広がっていた。
「すっごーい…」
カメラのシャッター音が聞こえて音のした方を見ると、構えていたカメラをおろした康二くん。
向「ええ気分転換なるやろ？」
「…うん！」
ニカッて笑う康二くんはやっぱり眩しくて優しい。
カメラが趣味だと話したのは越してきて割とすぐの頃だったと思う。
リビングでカメラのお手入れをしていた康二くんを見て、意気投合したのだ。
ピンと茎を伸ばして、一生懸命お顔をあげて咲くひまわりに胸を掴まれた。
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しばらく夢中になってたら、突然康二くんに次行くで！って手を引かれてまた車でどこかに連れ去られる。
だけどさっきと違ってワクワクしてる自分が居る。
康二くんは人を楽しませるのが上手。
向「Aちゃんさ、ひまわりの花言葉知ってる？」
「知ってるよ
"あなただけを見つめる"でしょ？」
そう言ったら康二くんがふふって笑う。
「なに？」
向「いや？Aちゃんにぴったりやなあと思って」
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作者名：あむ
| 作成日時：2024年4月5日 23時
