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恋愛禁止! ページ35

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佐「おっはよー!」



ドキーン!

洗面所で歯磨きしてたらひょっこり顔を出したさっくん。
朝から元気いっぱいで、ふわふわの髪は後ろがピョンって跳ねている。

かわいい…

そんな感情が頭をよぎってハッて首を振る。



佐「?なにそれ〜体操?」

「…なんでもない」



慌てて口をゆすいで洗面所を出た。
今までどうってことなかったのに、寝起きの顔をまじまじ見られるのが恥ずかしくて。
お気に入りのドレッサーの前で身だしなみを整えている自分に苦笑い。

最初から分かってたはずなのに。
君は好きになっちゃダメな人だって。


.



向「Aちゃん目玉焼き半熟がいいー?」

「シェフのおすすめで」

向「はいよー」

深「こぉじー俺のもー」

阿「俺もいい?」

向「もー頭数入れてる!」



ドヤ顔の康二くんをふっかさんがさっすがーって煽てる。
ここに照さんやラウールくんが居ることもあるけど、照さんはもう出て行っちゃったし、ラウールくんも早朝からお仕事があるらしい。
撮影してから学校なんて凄いねぇ大変だねって前に言ったら、楽しいから全然苦じゃないんだよーってニコニコしてた。やっぱり凄い。



佐「康二ぃ!佐久間も食べたーい」

向「さっくんのも作ってんでー座っときー」

佐「さすがオカン!」

向「誰がオカンや!」



そこはオトンやろ!ってそれでいいの?ってツッコミを入れた康二くんにふふって笑う。
すると隣の椅子が引かれて、またドキ!っていちいち心臓がうるさい。
ドギマギするのを必死に堪えてテレビに顔を向けていたのに、隣から感じる視線に耐えられない。



「なにー…?」

佐「んぅ?いやー?
Aちゃんの作った朝ご飯も食べたいなーって」



にゃおんって今日も今日とて私の膝を陣取るおツナ様がご主人に同調するように鳴いた。



「…また今度ね」



ダメだ…くりくりのぱっちりおめめに見上げられて、今までどうして何も思わなかったんだろう。
…いや。
何も思わなかったなんて、嘘だ。



ーーー…「一応シェアハウス内恋愛禁止だったんだけどね、」



そんな前置きから過去のいざこざを照さんが話してくれたあの時から、自分の気持ちに気付くタイミングなんて沢山あった。



向「ほい!あったかいうちに食べや〜」

佐「わーうまそー!
…そんな顔してもおまえの分はないの」



私の膝の上の彼のおでこをツンとつつく。

…好き。

気付かないフリをしてきた。
でももうそんなのとっくに誤魔化せなくなっていた。

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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