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自分から言い出した手前引くに引けず…っていうか引かせてくれず。
冷蔵庫のものを拝借して朝ご飯を作ることになった。
名前の書いてあるもの以外の食材やら調味料やらの使用権限は康二くんと宮舘さんという方にあるらしい。
あと時々目黒さん。
その他の人たちが料理をすることは殆ど無いからだって。



向「自分で作る飯も別に不味くないし作んの自体は嫌いちゃうねんけどさーやっぱり誰かが作ってくれた飯って旨いやん?」

岩「舘さんが作ってくれてるじゃん」

向「それはそうやけど女の子が作ってくれたっていうのが良いんやん!」

岩「…言っとこ」

向「あかんって!舘はほんまに俺の分作ってくれへんくなる!」



オフレコな?!って慌てる康二くんは、宮舘さんの作るご飯が好きなんだと思う。
居酒屋の店主さんだって言ってたっけ。
康二くんが手際良く作ってくれたおつまみも朝ご飯もすごく美味しかったし…



「2人のお店行ってみたいな」

向「おいでや!なかなかの人気店やで!」



えっへん!ってドヤ顔に「自分で言うな」ってひかるさんのツッコミが飛んで来た。
でも康二くんの言葉を否定しないってことは本当に人気店なんだ。

康二くんは歓迎してくれるだろうけど…宮舘さんはどうかな。



「苦手なものあります?」

向「納豆やなぁ…食わず嫌いやねんけどなー
ちなみに舘も好きちゃうから置いてないやろ?納豆」

「ほんとだ。納豆ない。」



お母さんの苦手なものは食卓に並ばない理論だ。



岩「俺はきゅうりとかネギかな」

「一緒だ!」

岩「ほんと?」

「あ、私とじゃなくて」

岩「え?」

「お散歩コースにある交番に居る警察官のお兄さんと一緒だなーって…」

向「遠!絶妙に遠い!
普通そういう時の自分以外って家族とか友達やろ!」



キレキレのツッコミ。さすが関西人…
そのお兄さんも関西の人だから親近感。
羨ましいくらい色白で子どもに優しい人。
それを話したら、「フッカさんみたいやな」って言われた。


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「お待たせしましたー」

岩「うわ!うまそー…」

向「いただきまーす!」



ご飯は炊飯器に炊いてあるご飯があったからそれをおにぎりにして、後は無難にお味噌汁と玉子焼きとほうれん草のお浸しっていうシンプルな朝ご飯。



「お口に合うかは分かんないけど…」

向「めっちゃうまい!!」



食い気味に言われて思わず笑う。
…良かった。誰かに食べて貰うのなんて久し振りだから。

・→←デートなんて恐れ多い



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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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