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週末のデートは水族館に決まった。
とびきりオシャレして、メイクもいつもと変えてみたり。
意外と楽しみな気持ちあるじゃん、私。
「いってきまーす。」
「A、」
デート当日、玄関でお姉ちゃんに呼び止められた。
心配そうな表情をしている。
「大丈夫?」
「うん。前向くって、決めたの。」
「…そう。楽しんでおいでね。」
「ありがとう。」
「いってらっしゃい。」
お姉ちゃんに手を振って家を出た。
家のすぐ傍には持田くんの姿がある。
「おはよう持田くん。」
「おはようございます。」
「よかったね、いい天気で。」
「…。」
「持田くん?」
「かわいい。」
「え、」
「かわいいです。スカート姿は新鮮ですね。」
「職場じゃ履かないもん。」
「すごく似合ってます。」
「ありがとう。」
「アイシャドウっていうんでしたっけ、瞼の。変えました?」
「…変えました。」
「嬉しい。今日のAさんは特別感がありますね。」
褒めてもらえたことも、些細な変化に気づいてくれたことも、純粋に嬉しいと思った。
「…俺も今日だけ、特別になってもいいですか?」
「え?」
「手、繋ぎたいです。…Aさんが嫌じゃなければ。」
「うん。いいよ。」
フリーズしている持田くんの前に手を出したら、震える手で優しく包み込んでくれた。
大きくてあたたかい。
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minese(プロフ) - ありがとうございます、助かりました (5月2日 12時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 題名は『玉響-moment』です(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (5月2日 12時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - 題名を教えてください (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - そうなんですか⁉ありがとうございます (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 目黒くんのお話ありますよ!お手数ですが私の作品一覧を見ていただければと思います。 (5月1日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年4月7日 16時