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二年目、二度目の春休み ページ15

そして、二度目の春休みがやってきた。

わたしはヘッケンローゼ先生と一緒に近場の山や森で魔物を狩ったり、薬草や石などを採取したりした。とっても充実した春休みだった!

彼は山や森の道に詳しくて、どこが人の通れる道でどこに魔物や獣が現れやすいかとかも教えてくれる。わたしはただただ相槌を打って教えてもらったことを覚えるのでいっぱいいっぱいだった。

山や森の中では派手な服の色にするとか肌の露出を控えるとか、そういう基本の話は知ってるんだけど。基本の話は知っていたおかげで彼から幻滅されるようなことは無かった……はず。

錬金素材の採取や魔物狩りに関してはなるべく早朝に出かけて夕方頃には帰れるようにしていた。つまり、泊まりがけではしなかった、ってことだ。

いつかは一緒に泊まりがけでの採取や魔物狩りとかしてみたいなぁ、って思ってるんだけど。でもそうなれるまでには結構時間がかかりそうだ。まずは彼に人として信頼してもらわなきゃいけないもんね。

まだヘッケンローゼ先生と出会って一年目だから、地味にコツコツと信頼を積み上げて行くのが大事、かな。それに先生としてもまだまだひよっこというか一年目だし。

「とりあえず、わたしとしては満足の具合なんだよね」

職員寮の自室で、小さく呟いた。周囲には今日までに春休みの間で採取した薬草や鉱物、魔物だったものなどがある。

分類分けや加工する順番を決めようとしていたのだ。

「教材として使うのはこっち、趣味はこっち……っと」

結構な量を集めたから分類分けが大変だ。ヘッケンローゼ先生、やっぱり魔物を狩るの好きだよね。表情変わらなかったけど待ち伏せとか罠張りとか、魔法でめった打ちにしてる瞬間とか楽しそうだったもん。口元がちょっとね。

運動するのが好きなのか、魔法を使うことが好きなのか……はたまた、魔物をめった打ちにするのが好きなのか?

「全部かな……なんとなくだけど」

運動や魔法を使うのはすっきりするよね。ストレス解消みたいな。魔物のめった打ちは分かんないけど。

あの人が楽しそうにしてると、ちょっと安心するんだよね。

「……あれ」

いつの間にかヘッケンローゼ先生のこと考えてた。

お店で食べ物食べてる時とか本屋で本を探してる時とか、たまに思っちゃうんだ。『彼ならこういうのが好きかなぁ』って。なんでだろ。

元気かなとか、色々と。

「……なんだか、気になるなぁ」

小さく呟いてみた。なんでこんなに気になっちゃうんだろう。

※この話の更新について→←3月、お返しとお誘い



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作者名:鬼灯 | 作成日時:2024年4月10日 14時

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