20 ページ20
.
｢そういえば、刺客はどこの国だったの…？｣
A｢あぁ
まだお伝えしていませんでしたね｣
Aに大きな傷をおわせたんだ
かなりの曲者だと思う
A｢人殺しのプロです
誰に依頼されたかは、全員殺したので聞けませんでしたが
多分北の国です｣
｢あそこか……｣
北の方一帯は
悪事に手を染めて繁栄している国で
構成されているからな…
かなりの手練だったって事だ
｢傷は、大丈夫なの｣
A｢何度も言ってますが大丈夫です
なんなら見ますか｣
｢いやっ、見たいけどいいっ｣
脱ごうとするAを慌てて止める
Aはたまに突拍子もない事をするからなぁ
A｢いいなら早く寝てください｣
｢もう、いつも通り口うるさいんだから｣
A｢当たり前です
それが私の仕事ですから｣
｢仕事仕事って……｣
A｢何か不満ですか？｣
｢当たり前じゃん！｣
A｢？｣
Aには分かるわけないもん
Aと同じ立場として
普通に話して普通に遊んで
普通に恋して
そんな事が出来ないのは
当たり前だと思い込んでいるAに
当たり前じゃない現状を望む僕の気持ちなんか
分かるわけない
そう思いながら体ごとそっぽを向く
A｢お気に触ったならすみません｣
｢機嫌を直すのも、Aの役割だよ｣
A｢全くこの王子様は
手がかかりますね｣
｢ふんっ｣
A｢はぁ、
早く寝ろよな、ソクジン｣
｢えっ？！｣
A｢敬語を前に外せと言われたので
お詫びとして
まぁお詫びになっているかは分かりませんが｣
なんて呆れ顔のAだけど
僕は死ぬほど嬉しかった
本当に今まで有り得なかったから
Aが僕を王子として扱わないというか
敬語を外すなんてこと
A｢もう寝てください
俺だって寝たいんですから｣
｢んふふ、分かったよ｣
俺って
また言った、ふふ
A｢おやすみ｣
そっぽを向いている僕の頭を
ポンと撫でたAは
そのままそこで
本当に寝るまでいてくれた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：BINA
| 作成日時：2024年4月4日 2時
