自己主張控えめな原石の紫くん【男主】

貴方が幸せなら。 ページ22

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リクエスト―猪狩蒼弥side



「Aくーん、また野球見に行きましょうよ！」

「…、うん、別にいいけど」

「じゃあ、また連絡しますね！」




YouTubeの撮影が終わったあと、仕入れとしてA君がわざわざ来てくれた。



だけど優斗がさっきからずっとAくんと自分の好きな野球の話ばかりで俺はまだ一言もAくんと喋ってない



痺れを切らして「Aくん、少しいいですか」と返事を聞かずに腕を引っ張って部屋から出る




「、蒼弥、、どうかした､?」

「別にどうもしないですけど、、俺とも少しは喋ってくださいよ」

「え、…ごめん。だからあんなに不機嫌だったんだ、、」



Aくんは悪くない、俺がただ嫉妬してるだけで。


どうしてもAくんのことになると好きって気持ちが溢れ出てしまうから。




「いえ、、俺の方こそすみません。急に腕引っ張っちゃって」

「…それは、別にいいよ。
蒼弥って、、樹にも聞いたけど、ほんとに俺の事好きなんだね」

「そりゃーもちろんっ。俺が一番Aくんのこと好きな自信ありますから！」




へらっと、笑う顔が可愛くて。樹くんナイスっ！と思う中恥ずかしい気持ちも山々。




「Aくんは俺の事好きですか？」

「へ、？…いや、まぁ……」



思いっきって聞いてみると段々とAくんの顔が下を向いてしまい、「、、俺も蒼弥と一緒」と小さい声が聞こえた。



思わず嬉しくて舞い上がり抱きしめてしまった。




「ちょ、っ…俺、後輩からハグとか慣れてない、」

「俺で慣れればいいんすよ、ね？慣れるまでしてあげますから。まぁ、慣れたあともするつもりだけど」

「…それ、ずっとしてるのと変わらない」



耳を真っ赤にしながらも、顔を見られたくないのか俺の胸に顔を埋めるAくん。



なんでこの人、こんなに可愛いんだろう。ほんとに好きすぎてたまんないわ。



「今度はAくんからの"好き"待ってますね」

「、待たんでいい」

「え〜、それじゃあ楽しみが1つ減りますよ」

「…だって言ったら言ったで、、面倒くさそうだし」

「それ一番悲しいヤツですAくん」



Aくんが幸せなら俺も幸せ。
こんなの変かもしれないけど、俺はずっとAくんが大好きだ。


「ちゃんと喋れて良かったねがりさん！」

「やっぱりかよ。わざと嫉妬させんな、ほんと」

「でも俺のおかげで話せたからおっけーじゃん」

「はいはい。今度はねえから」

「いや、こわっ」

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