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深澤side
碓氷が持っている雪だるまは9つ。白色がなかった。
そもそもなかったから、仕方がないと言えば仕方ないのだけど。
けど、よりにもよって白色がないことを碓氷は気にいているみたいで。
‥‥水色がなかったとしても、微塵も気にしなかっただろうことは、
まだ碓氷のことを知っているとは言えないけど、容易に想像がつく。
「‥‥深澤さん、水色、もう一個とってもらえませんか?」
深「‥‥おっけぇ、水色ね。」
何かする気だろうことは容易に想像がついたし、
その“すること”に踏み込むだけの勇気は残念ながら俺にはなかったんだけど。
時間が時間だったし、ご飯行かない?なんて言ってみれば、
碓氷からいくつか選択肢を提示されて、ラーメンを選べばお店に案内される。
おすすめとか、店の感じとか、結構いい感じ。
多分、事前に調べてくれてるんだろうことは想像がつくレベル。
深「あのさぁ。」
「はい?」
深「それやめない?敬語。あと、呼び方も。」
「‥‥えっと、」
深「あー俺も碓氷か‥‥じゃあ、‥‥俺、すいちゃんって呼んでもいい?」
「?あ、はい、もちろんです。‥‥僕、なんて呼んだらいいですか?」
深「‥‥すいちゃんが決めて?」
「‥‥じゃぁ、ふっかさんでいいですか?
照くんとか、翔太くんとかはふっか、って呼んでたので。」
深「ん、じゃあ、次は敬語だな〜。」
「それ、はもうちょっと‥‥。」
深「ま、そっちはまたおいおいね。」
今までと比べれば、かなりの進歩はあったんじゃない?
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作者名:姫色 | 作成日時:2024年4月13日 17時